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なおきの市政ラボvol.84 意外と知らない食卓の裏側

皆さんが日々の生活で口にする食材の多くを扱う大分市公設卸売市場が、来年で開設50周年を迎え、再整備計画が浮上しています。

市場の建て替え?業者の人たちの話でしょ?と思うかもしれません。

実は、私たちの食の安全と莫大な税金の使い道に直結する重要な問題なんです。

そんな折、私が所属する経済環境常任委員会は、大規模な再整備を進めている京都市中央卸売市場へ視察に行ってきました。

そこで見えてきたのは、綺麗なハコモノづくりの裏にある生々しい現実でした。

◾️避けられない老朽化と流通の変化

全国の卸売市場は今、共通の課題を抱えています。

それは、施設の老朽化と耐震性不足、そして市場を通さない流通が増え、取扱量が減っているという厳しい現実です。

さらに、近年は食の安全を守るため、徹底した温度管理や高度な衛生管理が求められるという現実。

これらをクリアするためには、今の建物を近代的な閉鎖型施設に生まれ変わらせる必要があります。でも、新しく建て替えるには数百億円という途方もない予算がかかります。

じゃあ、足りない分は税金でドーンと補填して、今まで通りデカい市場を作りましょう!

とは、今の時代いきませんよね。。

◾️ダウンサイジングと泥臭い対話

ここで京都市が取った戦略をお伝えします。

単に今の規模で建て替えるのではなく、敷地面積を思い切って約3割も縮小し、空いた土地に民間ホテルなどの賑わい施設を誘致。そこから得られる収益を整備費用や地域の活性化に還元する仕組みを作りました。

なるほど、民間活力(PFI)を使って賢くやったんだなと思いますよね。

違うんです。

実は、市場本体の整備においては、京都市はPFIの導入を見送っているんです。

なぜか?

市場には数十社もの仲卸業者がひしめき合っています。しかも、日々の営業を止めず、パズルのように仮設店舗へ移動しながら建て替えを進めるローリング計画という地獄のような工程を繰り返しています。

さらに、施設が新しくなれば衛生基準が厳しくなり、利用業者の使用料は上がります。

店を仮設に移して、しかも家賃も上がるんか!と反対の声も出ました。

この複雑すぎる利害調整と合意形成をコンサルや民間企業に丸投げするのは無理だと判断したのです。

結果、市の職員が全業者に対して1社1時間ずつ個別ヒアリングを徹底的に行い、少しずつ理解を得て進めていました。

スマートな計画の裏には、人と人との対話というアナログな努力があったんです。

◾️答えがないからこそ一緒に考えたい

京都市の事例から学べるのは、これからの公共施設の再整備は「ただ新しく大きくすればいい」という時代は完全に終わったということです。

身の丈に合った規模へのダウンサイジング、余剰地の民間活用、そして何より、現場で働く人たちと徹底的に向き合い、痛みを分かち合う覚悟が必要です。

大分市の市場再整備は、いよいよこれから本格化します。莫大な予算をかける以上、一部の業者や行政だけで決めるのではなく、市民の皆さんも納得できる投資にしなければなりません。

たかが市場、されど市場。私たちの食卓を守る拠点をどう残していくべきか。

答えが一つではないからこそ、行政依存を脱却し、皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。

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