BLOG

地域の協力で小4の壁を打破!AIで省力化した学童事業3大ステップ

小学4年生になった瞬間、子どもの放課後の居場所が消える。この現実をどれくらいの人がご存知でしょうか。

この壁に当事者として直面し、地域の町づくり協議会と協力して見守り事業の立ち上げに取り組みました。行政では解決が難しい課題を地域の協力を原動力にして、AIによる省力化を組み合わせて実現に至った経緯をお伝えします。

1. 豊府校区における学童保育不足の現状

我が校区の放課後児童クラブは、小学1年生から3年生までが対象です。文部科学省は6年生までの受け入れを推奨していますが、人員・資金・場所のリソース不足により、4年生以降の受け皿がありません。

私自身、娘が4年生に進級するタイミングで、春休み中の4月1日から通えなくなるという通知を受けました。私の実家は奈良県、妻の実家は宮崎県にあり、近くに頼れる親戚はいません。共働き世帯にとって、学校の長期休暇中に子どもの居場所がなくなることは、仕事の継続そのものに関わる深刻な問題です。

議員になって約1年間にわたり行政へ改善を訴え続けましたが、コスト面や人員面の制約から対応は困難という回答でした。行政を責めるつもりはありません。予算や人員配置という構造的な制約があることは十分理解しています。だからこそ、地域の力で解決する道を選びました。

2. 町づくり協議会を巻き込んだ事業化の舞台裏

まず相談したのは地元の自治会長です。その中で、ある自治会が自治公民館を活用し、夏休みに週1回の見守りを実施している事例を知りました。この取り組みを校区全体に広げられないかと考えましたが、責任の所在や実施主体の明確化が壁になりました。

そこで注目したのが町づくり協議会です。本協議会は、自治会やPTA、民生委員など地域の各種団体で構成される包括的な組織であり、事業の実施主体として最適でした。

そこで、何度も理事会に足を運び、最初は半信半疑だった理事の方々も徐々に理解を示していただき、ついには年度初めの総会で提案する場を与えていただける運びとなりました。総会では、以下の内容を盛り込んだ提案書でプレゼンを行いました。

  • 校区内に4年生以上の学童保育が存在しない実態
  • 共働き世帯が7割を超える現状
  • 仕事の継続に不安を抱える保護者の具体的な声

新規事業のため、不安の声は多々ありましたが、実際に地域で困っている方々がいるならやってみようという流れになり、結果として、正式な事業として承認を得ることができました。改めて感謝申し上げます。

3. 学校連携によるスピーディなニーズ調査

事業化の合意を固めるには、客観的な根拠が不可欠です。実施場所には、利用児童の減少により休園中だった豊府幼稚園の活用を提案し、所管課の了解を得ました

次の課題は、子育て世代に対して確実に情報を届けることです。活用したのは、学校が各家庭に配布物を届けるシステムである子供便でした。市教育委員会に掛け合い、町づくり協議会が行う地域事業のニーズ調査として配布許可を取得。豊府小学校の4年生から6年生、約480名にアンケートを届けました。

有効回答は約170件(回収率約35%)で、調査結果は明確でした。

  • 夏休み中の見守り体制が整っている家庭はわずか3割
  • 残り7割は共働きなどの理由で体制が不十分
  • 約100世帯(6〜7割)が事業の利用を希望

この一次データをもって町づくり協議会役員の合意を固め、5月の総会で正式な事業化に至りました。

4. AI活用による運営業務の徹底的な省力化

事業化決定後、システム面と制度面の整備を実質1人で進める必要がありました。限られたリソースで持続可能な運営を実現するため、AIを省力化ツールとして徹底的に活用してきました。

私はプログラマーではありませんが、AIエージェントの支援を受けてホームページを作成。事業理念、見守り体制、参加手順、管理方法、利用料やQ&Aなど、必要な情報を網羅的に掲載しました。作成した内容は複数の方にチェックしてもらい、現在も改善を重ねています。

申し込みにはGoogleフォームを活用し、集めたデータをボタン1つで名簿化できるよう調整しました。利用料はクレカと振込のみとし、対面による手続きを徹底的に排除しています。人的コストも費用もかけずに事業を回せるこの仕組みが、継続的な運営の土台になっています。

ただし強調しておきたいのは、事業を支えている最大の力は地域の皆さんの協力だということです。AIはあくまで、その負担を軽くするための道具に過ぎません。

5. 地域住民の参加を促す柔軟な協力体制

アンケートを通じて保護者に手伝いの可否を尋ねたところ、約2割から協力可能との回答がありました。実際の申し込み50世帯に対し、協力者は10名程度。想定より少ない数字でしたが、従来のような個別訪問の負担なしに、理念に賛同する子育て世代を集約できた意義は大きいと感じています。

最大の課題は、地域の方々との調整でした。情報共有ツールとしてBANDアプリの導入を検討しましたが、ご高齢の協力者にとって、やはり操作のハードルは高かったです。そこで、デジタルツールが苦手な方には個別に要望を聞き取り、代理でカレンダーに入力するアナログ対応を併用しています。

ここで工夫したのは、インターネット上でシフト状況を可視化したことです。これにより、人手不足の日が一目で分かるようになりました。その結果、自主的に協力を申し出てくださる方が増えるという好循環が生まれています。情報の透明化が人の行動を後押しする。これは行政でも自治会活動でも共通する原則だと実感しました。

6. 動画マニュアル公開による具体的な運営

見守りに参加する方が迷わず活動できるよう、日々のスケジュールや注意点をまとめた詳細なマニュアルを作成し、ホームページで公開しました。鍵の開け方など文字だけでは伝わりにくい部分は動画を撮影してYouTubeにアップロードし、ページに埋め込んでいます。

利用者からは「分かりやすく、イメージしやすい」と好評をいただきました。こうした細かな工夫の積み重ねも、AIで多くの知見を効率的に集約できたからこそ実現できたものです。

事業は7月21日から8月31日まで。既に数日が経過しましたが、現在まで大きなトラブルなく運営できています。夏休み終了まで、子どもたちの安全を第一に取り組んでまいります。

今回の取り組みは、行政だけでは手が届かない領域を、地域住民の主体的な協力で埋めた一つの実践事例です。同じような課題を抱える校区にとって、何かのヒントになれば幸いです。こうした地域発の小さな積み重ねが、全市的な制度改善へとつながっていくことを期待しています。

PAGE TOP
目次