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祝祭の広場、予約の3割がキャンセルに?市民の声で気付いた新事実

先日、スポーツ施設の予約問題を取り上げたところ、読者の方から「祝祭の広場でも同じことが起きているのでは」というご指摘をいただきました。

執行部に確認したところ、制度そのものが抱える類似的な課題が見えてきたので整理します。

1. 実態調査から見えてきた課題

きっかけは1通のコメントでした。公共スポーツ施設の予約問題を記事として公開したところ「祝祭の広場でも似た問題がある」というご意見をいただきました。

祝祭の広場は、令和元年9月にオープンした大分市中心部の多目的広場です。イベントやマルシェなど様々な用途に利用されており、市民にとって身近な公共スペースの一つ。

大型LEDビジョンを備え、広場全面(2,530平米)の貸し出しのほか、半面利用も可能で、地域のにぎわいづくりに大きな役割を果たしています。

そこで実態を把握するため、広場を管理する「大分市まちなみ企画課」に対してヒアリングを行いました。確認の結果、予約制度の設計に改善の余地があることが明らかになりました。

2. 12ヶ月前から予約できる仕組み

祝祭の広場は、使用日の12ヶ月前から申請が可能です。大規模なイベントを企画する場合、準備期間を考慮すれば、早い段階で会場を押さえたいという需要は十分に理解できます。

大分市の公式サイトによると、使用までの流れは以下のようになっています。

  • 12ヶ月前:予約申請書の提出
  • 3ヶ月前:市からイベント開催の確認連絡
  • 2ヶ月前:事前協議(テント設置や商業利用の場合)
  • 1ヶ月前:許可申請書等の提出
  • その後:使用料の納付 → 許可書の発行

ここに課題があります。予約をしてから市が確認連絡を行う3ヶ月前までの最大9ヶ月間、予約者には使用料の支払いも追加の手続きも求められません

予約を維持するためのコスト負担がないまま、長期間にわたって広場を押さえ続けることが可能です。

ホテルや民間の貸しスペースであれば、予約時のデポジット(前金)や時期に応じたキャンセル料の設定が一般的です。

公共スポーツ施設には「調整会議」と言われる関係団体と協議する場がありますが、祝祭の広場にはこうした仕組みがなく、結果として「とりあえず押さえておこう」という仮押さえを誘発しやすい制度になっています。

3. 予約の約3割が取り下げられる現状

予約申請されたもののうち、どの程度のキャンセルが発生しているのかを執行部に確認したところ、驚きの結果が返ってきました。

申請された件数:約140件のうち、およそ40件が取り下げとなっていることが判明したのです。割合にして約3割弱。

注目すべきは、このキャンセルに対してペナルティが一切発生しないという点です。予約を入れてから最大9ヶ月間、費用を負担することなく広場を押さえ続け、不要になったら取り下げればそれで終わり。制度上、何の不利益もありません。

4. 他の利用者の機会損失

予約者にとってはリスクのない便利な仕組みかもしれません。しかし、その裏側では確実に不利益を被っている方々がいます。

祝祭の広場はGoogleカレンダーで予約状況が公開されています。利用を検討している方がカレンダーを見たとき、希望の日程が埋まっていれば当然その日は諦めます。

ところが実際、その予約の3割近くは後日キャンセルされる可能性のある仮押さえだとすれば…

カレンダー上は埋まっているのに、結果として誰も使わない日がある。こんな残念なことはありません。

本来であれば、その日にイベントを開催し、地域を盛り上げたいと考えていた方々の利用機会が、見えない形で失われています。

5. 手作業に頼るアナログな管理業務

制度の課題に加えて、管理体制の面でも見過ごせない問題があります。

まちなみ企画課には、スポーツ施設のような大規模な予約管理システムが導入されていません。職員が紙の申請書を管理し、3ヶ月前になると1件ずつ電話で意思確認を行っているのが現状です。

年間140件の予約に対してこの確認作業を行い、キャンセル分の処理まで手作業で対応する。職員の方々は懸命に取り組んでくれていますが、今の時代に、これほどアナログな手法に頼らざるを得ない状況には心が痛みます。

仮にオンラインの予約や取り下げが実現すれば、職員が1件ずつ電話をかけて確認する業務そのものを大幅に削減できます。

制度の見直しは、市民の利便性だけでなく、職員の業務負担を軽減することにも繋がります。

6. 公平な施設利用を実現するルール設計

今回の調査を踏まえ、執行部に対して制度の見直しを要望しました。なお、令和7年7月からは予約が重複した場合に抽選を行う運用が導入されるなど、改善の動きも始まっています。その上で、さらに以下のような改善策が考えられます。

  • 予約時または一定期日までのデポジット(前金)制度の導入
  • キャンセル時期に応じた段階的なキャンセル料の設定
  • オンライン予約システムの導入による管理業務の効率化

いずれも民間では当たり前に行われている運用であり、公共施設だからこそ、より多くの市民に公平に利用してもらうためのルール整備が必要です。

職員の方々が限られた体制の中で丁寧に対応してくださっていることは、改めて強調しておきたいと思います。ただ、その善意に頼る運用には限界があります。

制度を整えることで、利用者にとっても職員にとっても無理のない仕組みを作っていく。その実現に向けて、引き続き取り組んでまいります。

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