事業者の方々とお話しする中で、若手社員の育成に関する話をよく聞きます。
本記事では、YouTube動画ReHacQの「嫌われる上司の特徴とは?衝撃のZ世代の価値観」の内容をもとに、Z世代の若手が職場で力を発揮するための具体的なアプローチを整理しました。
1. 褒めるなら個別チャットで、さりげなく
Z世代の約6割は、みんなの前で褒められたくないと感じています。背景にあるのは、同期との調和を何より大切にする価値観です。
集団の中の一員でいたい。目立って浮きたくない。良かれと思って朝礼で名前を挙げることが、本人にとっては居心地の悪さにしかならないケースが少なくありません。
効果的な方法は、周囲から見えない場所で伝えることです。
- チャットで「さっきの資料、構成がわかりやすかった」と具体的に送る
- 廊下ですれ違ったときに一言だけ「あの対応、よかったよ」とさらっと伝える
- 直属の先輩を通じて間接的に評価を届ける
学歴や年齢ではなく、その人自身の具体的な頑張りに目を向けていることを伝える。これが信頼関係の出発点になります。大分市内の職場でも、日報へのコメントやチャットツールの活用など、すぐに取り入れられる工夫は多いはずです。
2. 自由にやっていいが一番困る
上司世代が考える主体性と、Z世代が考える主体性には、根本的なズレがあります。
上司世代にとっての主体性とは、指示がなくても自分から仕事を探して動くこと。一方、Z世代にとっての主体性は、頼まれた役割の範囲内で能動的に全力を尽くすことです。
マニュアルやお手本が当たり前に存在する環境で育ってきた世代にとって、「自由にやっていいよ」は最も困る言葉です。
先輩の領域を侵してしまうかもしれない。見当違いのものを作ってしまうかもしれない。そうした不安が行動のブレーキになります。
まずは業務の全体像と手順を明示し、動いていい範囲をはっきり示すことが先決です。ゲームのフィールドが決まっていれば、その中で自分なりの工夫を凝らす力はしっかり持っています。枠組みの提示は、若手の能動性を引き出すための土台です。
3. 転職前提の世代に響くキャリア形成
終身雇用を前提にしない働き方は、もはやZ世代の標準です。
就職活動の段階から転職を視野に入れ、「どちらの会社に行けば転職しやすいですか」と相談してくる学生もいるほど。
個人として通用する専門スキルを早く身につけたいという意識が強いためです。
この価値観を否定しても、距離が開くだけです。むしろ活かす方が建設的です。
目の前の地味な業務が、将来のキャリアのどこにつながるのか。今の仕事で身につくスキルが、本人が描く将来像のどの部分を支えるのか。プロセスの中での現在地を言葉にして共有することで、日々の仕事への取り組み方は大きく変わります。
大分市内の中小企業では、大企業のような体系的なキャリアパスを用意しにくい面もあります。だからこそ、直属の上司が対話の中で「この経験は将来こう生きてくる」と伝える意味は、より大きくなります。
4. 板挟みの中堅社員を孤立させない組織づくり
若手育成の負担が最も集中するのは、現場で直接指導にあたる30代前後の中堅社員です。
上の世代からは「背中を見て学べ」式で育てられた経験しかなく、マニュアルで教わったことがない。なのに部下にはマニュアルを作らなければならない。若手に「引き継ぎ資料はないんですか」と聞かれて言葉に詰まる。そんな声が、動画の中でも紹介されていました。
上司と若手の間で板挟みになり、孤立してしまう中堅社員は少なくありません。
自己犠牲的にクッション役を引き受けるか、一切関わらないと距離を取るか。どちらかに振れてしまう構造は良い状態とは言えません。
解決策として、指導を個人の力量に委ねるのではなく、チーム全体で育成のノウハウを共有できる仕組みを整えることが必要です。
当然ですが、時代と共に人は入れ替わります。組織も工夫して変革することで中堅社員の負担を軽減することが、結果として若手の育成環境も改善します。
大分の地域企業が持続的に人材を育てていくために、どのような支援が必要なのか考えていきたいテーマです。





