先日のコラムに書きましたが、古国府(正確には上野)には、弥栄神社が存在します。
この神社、京都の祇園祭で有名な八坂神社の分社のような存在で、800年以上も前に大友一族が、総本山の御利益にあやかろうと建てた歴史ある神社です。
しかし、大友氏が島津軍に敗れ、本殿は焼失。約400年前に現在の場所へと再建されました。そして今、この神社にまつわる祭りや神事は、地域の人々の記憶からほぼ忘れ去られています。
なぜ忘れられてしまったのでしょうか?
その原因の一つとして、大分が新産業都市に指定されたことで、県外から急激に多くの人々が移り住んできたことが挙げられます。
新しい住民が増える一方、古くから受け継がれてきた地域の文化や伝統行事は徐々に途絶えてしまったのです。
本日、大分芸術文化短期大学の先生と、この弥栄神社の祭りをもう一度復活させるための打ち合わせをしてきました。宗麟公に関連する様々なプロジェクトも素晴らしいのですが、それと同時に、地域が主体となって進める祭りや神事も大切だと思います。
本来、お祭りとは、神様を神輿に乗せて町を練り歩き、地域全体で祝う行事です。地域の人々が中心になって祭りを運営し、みんなが協力して取り組むことで、地域の団結力が生まれ、地元への愛着や誇りも育まれていきます。
一度忘れ去られた祭りを、ゼロから創り上げるのは決して簡単ではありません。でも、地域の人々が力を合わせることで、それはきっと可能になるはず。私も、この取り組みをできる限り応援し、一緒に汗をかきたいと思っています。
過去の伝統を未来につなぐことで、地域がもっと元気になり、大分への誇りや愛着がさらに深まるのではないでしょうか。