地元に住んでいても、実はよく知らない。そんな経験はありませんか?毎日が忙しくて、昔のことをゆっくり考える余裕なんてなかなか持てないですよね。
大分市古国府にある弥栄神社。この神社は、あまり知られていませんが、なんと800年を超える長い歴史を持っています。
一度は戦火で焼失しましたが、400年前の1618年に上野ヶ丘で再建され、静かに時を刻んできました。
この神社には一枚の大きな絵馬があります。粉をふくほど古びて、長年忘れられたかのようにそこにありました。でも今、この絵馬に新たな命が吹き込まれようとしています。
最新技術の赤外線や蛍光X線を駆使し、大分県芸術文化短期大学の先生方が、この古い絵馬の絵を復元しようと奮闘しています。
「そんな昔の絵を復元して何になるの?」と思うかもしれません。でもこの絵馬をよみがえらせることは、ただ古い絵を見られるようにするだけではありません。
それは私たちが忘れてしまった、地域の歴史や物語を掘り起こし、未来の子どもたちへとつないでいく大切な作業なんです。
今の時代は、毎日が忙しくて、目の前をあっという間に過ぎていきます。そんな中、伝統や地元の文化に目を向けるのは簡単ではありません。
でも、私たちが自分の地域を知らないままだとしたら、子どもたちはどのように地元への愛着を持つのでしょう?
大分市では若い世代が県外にどんどん流れています。行政も苦心していますが、特効薬はありません。だからこそ、まず私たち大人が、地域の歴史や文化を知り、それを子どもたちに伝えることが大切なのではないでしょうか。
地元の歴史に触れることは、私たち自身の物語を深めること。そして、未来の子どもたちに、郷土を愛する気持ちを伝える第一歩になります。
このプロジェクトが成功し、地元の歴史が私たちの心に再び息づくことを、心から願っています。