先日、埼玉県春日部市を視察しました。私が所属する経済環境常任委員会として訪問し、話題のゴミ処理DX「収集しマース」の実証試験を見学しました。
このシステムの一番の目的は、廃棄物収集を効率化することです。ゴミ収集の状況をリアルタイムで把握し、回収漏れを防ぐこと、そして収集作業を担当する業者の負担を軽くすることで、人手不足の解消につなげようという取り組みです。
実際にどのようなことが行われているかというと、市内に数千もあるゴミ収集所をデジタルマップ化することから始まります。
これまでは紙のゼンリン地図に手書きで収集所を記入していましたが、核家族化によって世帯数が増え、収集所も毎年増えるため、デジタル化が欠かせない状況になったのです。
また、収集車には専用タブレットが搭載され、収集所付近を通過すると自動で「回収済み」と記録されます。運転手が作業中に画面を操作するのは危険ですので、非常に重要な機能です。
さらに、このアプリは最適な収集ルートを表示することができます。ベテランドライバーは既に最適なルートを知っていますが、新しい担当者や新人さんには大きな助けになります。
ルートが最適化されると、燃料の消費も抑えられ、結果的に委託費用の削減にもつながるという仕組みです。
ただし、この仕組みがすべてのケースで即座に効果を発揮するかというと、まだ未知数な部分もあります。民間の収集業者さんの中には既に効率的なルートを熟知している場合もあり、具体的な削減効果については今後さらに検証が必要です。
とはいえ、市が直接運営する場合には非常に有効です。人事異動が頻繁にありノウハウが蓄積しにくい市役所にとって、このシステムは重要な資産になります。
業者に委託する場合でも、デジタルマップとルート情報があることで、見積もりや運営が効率的になります。
大分市への導入が可能かどうかはまだ検討が必要ですが、春日部市の取り組みは大きなヒントとなりました。
市民の暮らしをより良くするために、今回得られた知見をしっかり活かしていきたいと思います。