2026年の幕開けと同時に、日本政治は極めて異例の局面に入った。
高市早苗首相による衆議院解散。公示まで残りわずかなタイミング。
その緊張感の只中で配信されたのが、生放送番組『ホリエモンのそれってどうなの!?』である。
この番組が興味深いのは、単なる選挙予想番組ではない点にある。
世界情勢、技術、経済、選挙戦術までを一気通貫で議論し、「いま政治がどのような力学で動いているのか」を可視化した点に本質がある。
まず、議論は日本ではなく、世界から始まった。
◾️国際法より「実力」が優先される世界
2026年1月、アメリカによるベネズエラへの軍事介入。
大統領拘束という極端な行動は、多くの人にとって衝撃だったはずだ。
しかし番組内では、これを「例外的事件」とは捉えていない。
冷戦期のパナマ侵攻と同じ構造であり、アメリカは一貫して同じ行動原理で動いている、という冷静な分析が示された。
重要なのは、ここで語られた前提である。
世界はすでに「国際法」や「建前」では動いていない。
中国・ロシアの影響圏拡大を前に、アメリカは実力行使を選ぶ。
そして西側諸国は、その是非を正面から批判できない。
石油がある国には介入し、何もない国には介入しない。
この露骨な現実を、誰も否定しなかった点に注目すべきである。
この「力の論理」は、日本政治にも確実に影を落としている。
◾️日本が強く出られない、本当の理由
議論は一転し、日本のデジタル赤字と巨大IT企業の問題へ移る。
詐欺広告が放置され、被害が拡大し続けているにもかかわらず、日本政府は強い規制に踏み切れない。
その理由は「やる気がないから」ではない。
通商交渉という、極めて現実的な制約がある。
プラットフォーマー規制を強化すれば、報復として自動車関税などが持ち出される。
日本経済にとって、自動車は依然として基幹産業である。
つまり、デジタル分野で正論を貫けば、別の分野で確実に痛みを被る。
ここでも理屈より力関係が優先されている。
では、日本に勝ち筋はないのか。
番組では、スピントロニクスという半導体技術、とりわけ超低消費電力かつ放射線に強い新技術が紹介された。
宇宙データセンターという文脈まで含め、「技術で主導権を取り返す」という現実的な方向性が示された点は示唆的である。
◾️なぜ、このタイミングで解散なのか
世界と技術の話を踏まえたうえで、ようやく本題である衆議院解散に話が戻る。
ここで重要なのは、「解散が是か非か」という感情論ではない。
自公政権の枠組みが崩れ、新たな中道勢力が誕生した以上、政権の正統性を国民に問わなければならない。
先送りすればするほど、政策決定は鈍る。
短期決戦で信を問うという判断は、制度的には一貫している。
同時に、新党の存在が、これまで見えにくかった層を可視化した。
自民党政治には不満がある。
しかし、旧来型のリベラルにも違和感がある。
この層が、今回の選挙でどこに流れるのか。
それこそが最大の焦点である。
◾️消費税減税が「分かりやすい」理由
今回の選挙では、多くの政党が消費税減税を主張している。
番組では、これを正面から疑問視している。
消費税は、毎日の買い物で支払うため痛みを感じやすい。
一方、社会保険料や所得税は天引きされ、実感しにくい。
だからこそ、消費税は政治的に使いやすい。
しかし、減税の恩恵が大きいのは支出の多い層である。
この構造的事実は、あまり語られない。
さらに、軽減税率が現場に混乱をもたらしている点も、具体例を挙げて批判された。
ここでも「分かりやすさ」と「合理性」は一致しない。
◾️選挙は、すでにデータ戦になっている
終盤で語られたのが、現代選挙の実像である。
演説がうまいかどうかではない。
どの切り抜きが伸びるか。
どの感情が反応されるか。
それを徹底的に試し、数字で判断する。
人柄、怒り、失敗。
そうした要素が、政策以上に拡散力を持つ。
AIは有権者一人ひとりに異なる顔を見せることすら可能にしている。
もはや「真面目に語るだけ」では勝てない。
この現実を、誰も否定しなかった。
◾️この番組が示した、ただ一つの核心
この放送が突きつけたのは、極めて単純な事実である。
世界も、日本も、
理屈だけでは動いていない。
力、技術、データ、現実的制約。
その中で、どこに賭け、何を切り捨てるのか。
2026年の衆院選は、その選択を国民に突きつけている。
出典:
2026年1月25日放送
ホリエモンのそれってどうなの!?
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