広告を1円も使わず、
テスラ日本法人の売上は約2倍になった。
理想論でも、精神論でもない。
実際に起きた話だ。
ReHacQで公開された
高橋弘樹氏とテスラジャパン社長
橋本理智氏の対談を見て、
最も印象に残ったのは
感情を極限まで排した意思決定だった。
話は、なぜか筋肉から始まる。
橋本氏はフィジーク(ボディビル)大会の
優勝経験者。
胸囲は108cm。
食事は何年も固定。
油は一切摂らない。
酒は飲む。
目的は健康でも自己演出でもない。
「自己満足」と「いつでも脱げる体」
このエピソードは雑談に見えるが、
対談全体を貫く価値観を示している。
目的に関係ないものは、徹底的に排除する。
橋本氏のキャリアは、
外資系のみ約25年で10社。
転職のたびに
ポジションを横にスライドし
成果を出し
年収を上げる。
実際、転職のたびに
年収が倍になったこともある。
大学卒業時には
43歳までに社長になる
と紙に書き
年齢ごとに役職と年収を設定していた。
43歳で社長に就任し、
計画は現実になった。
次に選んだのがテスラだった。
理由は単純だ。
これまで別々の会社で扱ってきた
新製品
AI
自動運転
ロボット
宇宙
それが1社にすべてある。
ここなら骨を埋めてもいい。
そう思ったという。
しかし、日本市場は簡単ではなかった。
世界ではモデルYが販売台数1位。
それでも日本だけは売上が落ちていた。
EV普及率は3%未満。
香港は40%超。
国産メーカーの強さ。
政策の方向性。
日本人のブランド志向。
どれも短期では変えられない。
そこで橋本氏が変えたのは、
車ではなかった。
売り方だった。
最初に変えたのは、誰に売るか。
それまでテスラは
高級車好きに向けて売っていた。
それをやめた。
ターゲットは全員。
テスラはフェラーリではない。
ユニクロであるべきだと定義した。
補助金を使えば
価格帯は300万〜400万円台。
アルファードより安い場合もある。
既存オーナーから反発もあったが、
方針は変えなかった。
次に変えたのが売り場だ。
幹線道路沿いのディーラーをやめ、
イオンやららぽーとへ。
店舗数は
10店舗から30店舗に。
フードコートの近く。
家族連れが、ついでに立ち寄る場所。
車を買いに行く場所から、
生活の中で触れる場所へ。
広告費は使わない。
これはテスラ全体の方針だ。
日本では
広告を出さない企業は
メディアに取り上げられにくい。
それでも方針は変えない。
代わりに
デジタルでの試乗予約導線など
お金ではなく仕組みに投資する。
結果は数字で出た。
2024年
月平均 約470台。
2025年
月平均 約890台。
約1.9倍。
500万〜600万円の耐久消費財で、
この伸び方は珍しい。
テスラの強みは
EVそのものではない。
15年分、800万台の走行データ。
自社データセンター。
完全内製のAI。
アメリカでは
完全自動運転で無人納車も始まっている。
日本では法規制が壁だが、
技術的には可能だという。
後編では、失敗の話も語られた。
セラボディ時代。
業績は黒字。
それでも本社の方針で
ある日突然、日本撤退。
「You have no oxygen」
お前、空気ないよ(クビという意味)
信頼して引き抜いた幹部5人を
即日解雇。
人生で初めて
手が震えたという。
それでも感情は出さない。
プロとして
クローズと次の計画を
同時に進めた。
クラフトフーズでは
30分味長持ちを数字で証明し
一点突破で売上を伸ばした。
ダイソンでは
家電量販店ではなく
美容室を販路にした。
やっていることは一貫している。
曖昧な価値を捨て
伝わる形に変える。
この対談が示しているのは
テスラの凄さというより
前提を疑い
捨てる覚悟を持ち
感情ではなく構造で判断すること。
その積み重ねが
数字を動かしたという事実だった。
出典:
ビジネス動画メディアReHacQ
テスラジャパン代表取締役社長 橋本理智
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