ちょっと夜遅くまで飲んだ時やイベント時、タクシーが全然つかまらず困った経験はありませんか?
実は観光地・別府市では、もっと深刻な問題を抱えています。この件について、別府市役所を単独訪問し、調査してきました。対応してくださった職員方々に改めて御礼申し上げます。
背景には二つの理由があります。ひとつは、タクシー運転手の人手不足。もうひとつは、観光客が増えすぎて地元の生活にまで影響が出る「オーバーツーリズム」です。
路線バスが観光客でいっぱいになり、普段から利用している市民が乗れない。ひどいときには、山の上のケーブルカー駅から徒歩で下山する人までいたそうです。
そこで別府市が導入したのが「公共型ライドシェア」です。民間のサービスに頼っても根本解決できなかった課題を、市が関係者と協議を重ねながら仕組みを整えました。
その結果、今では市民の不便はかなり解消されているといいます。準備や運営にあたった職員の皆さんの苦労は、想像以上だったでしょう。
私は、公の機関の大きな役割は「規制緩和」だと思います。需要を察知し、古いルールが邪魔をしているなら緩めて、民間の力が公平に使えるようにする。ライドシェアは、その象徴的な取り組みです。
大分市でも、大型イベント時や夜間の住宅地でタクシーを呼びにくい場面があります。別府の事例は、私たちの街の課題を解決するヒントになります。
移動のしやすさは、観光客だけでなく、私たちの日常生活の安心につながります。次にタクシーがつかまらなくて困ったとき、この話を思い出して下さると嬉しいです。