本日、夜間中学シンポジウムに参加してきました。県政の話になりますがご容赦ください。
令和8年4月、大分県内で初めての夜間中学が開校します。場所は、大分県立爽風館高校の敷地内。これまでなかった「学び直し」の場が、ようやく県内に生まれます。
夜間中学とは、中学校を卒業していない方、あるいは卒業していても十分に学べなかった方が、改めて義務教育を受けられる場です。
対象者は外国籍の方も含まれ、週5日、体育や美術、家庭科なども含めた総合的な授業が行われます。
大分県では「中学を卒業していない」と答えた人が8759人、外国人労働者は9982人にのぼります。
読み書きや基礎的な計算ができず、福祉サービスの手続きで困る方もいれば、言葉の壁や孤独の中で声を上げられない方もいます。
そんな方々にとって夜間中学は、学び直す場所であると同時に、失った自信を取り戻す場所でもあります。
「自分はもう一度やり直せるんだ」
そう思えるきっかけが、ここにはあります。
夜間中学は単なる教育の話にとどまりません。福祉、地域づくり、そして防犯の面でも、社会全体の包摂力を高める土台になります。
誰かが取り残される社会は、やがて私たち自身の暮らしにも影を落とします。だからこそ、「誰一人取り残さない」という思いを形にするこの取り組みの意義はとても大きいのです。
人生には、思い通りにいかない時期がある。でも、それをやり直せる場所があるかどうかで、人生の意味は変わってきます。
夜間中学の開校は、大分の未来にとっても希望のひとつ。
これからの地域社会をつくっていく皆さんと一緒に、静かだけれど確かなこの歩みを応援していきたいと思います。