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事務事業評価の構造的限界

毎年6月議会において、大分市議会は事務事業評価を行う。これは、議会が行政の事業を選別し、その内容がどのような効果を持っているかを検証する仕組みだ。かつての政権において行われた事業仕分けや刷新会議をイメージしてもらうと分かりやすい。

行政の無駄を省き、限られた財源を有効に活用するための取り組みであるはずだが、その実態を冷徹に見つめると、極めて実効性が低いと言わざるを得ない。そこには、制度設計における3つの構造的な課題が存在するからだ。

事務事業評価を形骸化させる3つの課題

第一に、国の予算が入っている事業は、市の判断で動かせる裁量が極めて少ないという点だ。国の制度設計に縛られている事業を評価の対象リストに挙げること自体が不毛であり、形骸化を生む原因になっている。

第二に、国費が入っている事業を除外すると、市が単独で行っている事業しか選べなくなるが、その選択肢が極めて少ないことだ。さらに、そうした市単独事業の中に大きな予算を扱っているものはほとんどない。行財政改革として大きな効果を狙うのであれば、当然ながら大きな予算が投じられている事業に切り込むべきだが、そうした対象はほとんど存在しないか、以前に検証済である。

少額の事業を検証することに意味がないとは言わない。しかし、各常任委員会が多くの時間とエネルギーを費やして真剣に議論を戦わせる以上、それなりの予算規模があり、市の判断で抜本的な見直しができる事業を扱う方がはるかに生産的だ。

第三に、なぜか評価の判断項目に「拡充」という選択肢が存在していることだ。事務事業評価の本来の目的は、行政事業の費用対効果を厳しく精査し、無駄があれば削減や廃止を求めることにある。しかし実態は、市民の要望を伝えることで削減を提言するどころか、もっと予算を付けるべきだとの結論に至るケースがある。議会の機能として市民の声を届けることは大切だが、事務事業評価の仕組みにおいて予算の「拡充」を取り上げるのは、制度の本来の趣旨から完全に逸脱しており、本筋ではない。

ごみ袋有料化の実態

本来あるべき行財政改革の切り口として、私は現在、経済環境常任委員として大分市の家庭ごみ有料化制度、すなわち指定有料ごみ袋制度について調査を行っている。平成26年11月に導入されてから、ちょうど12年目を迎える制度だ。

過去12年間の資料や導入当時の経緯を精査し、現状の数値を検証したところ、興味深いデータを発見した。

市民が購入している指定ごみ袋の手数料収入のうち、じつに約7割が、ごみ袋の作製費、店舗への配送コスト、取扱店舗に支払う販売手数料、そして制度を管理運営するための事務システム経費といった「制度を維持するためのコスト」に消費されているのだ。

ごみの削減を促し、適正な負担を求めるという目的の裏で、市民の支払ったお金の大部分が、ごみ袋を有料で販売し回収する仕組みそのものを維持するために消えている。本来のごみ減量推進策や環境対策、市民への還元の原資として活用されているのは、全体のわずか3割程度に過ぎない。

市民のための行財政改革を目指して

感情論や耳障りの良い言葉をいくら並べても、非効率なシステムは改善しない。必要なのは、前例踏襲を疑い、客観的なデータに基づいて制度設計を見直すことだ。

現状は、市民の負担したお金の大部分が、制度の維持そのものに消費されている。

私は、今年度の議会において、この12年間の調査データをもとに、ごみ袋有料化制度のあり方について強く行政に訴えかけていくつもりである。

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